
国会議員と破産手続き
民主党の国会議員渡辺義彦さんが、破産手続きを行っていると報道されています。
破産手続きでは、免責が確定すれば復権するので、どんな職業でもつけますが、破産手続開始決定から免責が確定していない間には、職業制限があります。例えば、私のような弁護士、いわゆる士業、司法書士、税理士、公認会計士、行政書士などは資格制限があります。また、質屋、古物商、宅地建物取引主任者、警備員などは資格制限があります。
他方、医師や(獣医師、薬剤師も含む)、国家公務員(人事官を除く)、地方公務員も欠格事由となっていません。旧会社法では、取締役の欠格事由になっていましたが、新会社法では欠格事由となっていないので、取締役に就任することもできます。ただし、取締役は、会社との委任関係にあるので、厳密にいうと、破産開始決定を受けたことが委任契約の終了事由となっているので(民法653条2号)、一旦、取締役を辞任するのが正しい手続きということになります。
選挙権や被選挙権についても制限はないので、渡辺義彦氏の当選には、破産手続き上の問題はないといえます。
しかし、世の中はどう考えるのでしょうか。党本部がどのような処分をするのか注目されます。
私見では、父親の残した借金や知人の連帯保証債務というのですから、隠さずに公表していれば問題はなかったのかなと思います。政治家は、人に信頼されてこそ職責を全うできるのですから、破産手続きをしていたことよりも、黙っていれば分からない、という態度こそ問題にすべきでしょう。
ただ、これは一般人にはあてはまりません。普通の生活をしている人にとっては、破産手続きをしていることは隠しておきたいのが当たり前なので、破産手続きをしたことを公表する必要は一切ありません。その点は、誤解のないようにしていただきたいと思います。
9月13日8時1分配信 スポーツ報知
民主党で、また新人議員のスキャンダル―。8月30日の衆院選に比例近畿ブロックから立候補し、初当選した渡辺義彦氏(53)が、大阪地裁に自己破産を申請し、破産手続きが進められていることが12日、分かった。渡辺氏はこの日、大阪市内で緊急会見。立候補の際、党本部に破産申請について報告していなかったことを明らかにし、「(隠す気が)全くなかったと言えばウソになります」と、苦し紛れに釈明した。
映画へのヌード出演や、ピラミッドに登っての“逮捕歴”で話題の田中美絵子氏(33)に続き、民主党で、またも新人議員のスキャンダルが明るみに出た。渡辺氏は「被選挙権に関して、財産・社会的な差別はあってはならない。同じような境遇の人に光が当たるきっかけになればと思っていた」と、立候補時に党本部に説明していなかったことを正当化するかのような発言。会見で何度も報道陣に問い詰められ、ようやく「ご報告すべきだった。一切合切話しては(比例名簿に登載される上で)マイナスになると思った。お騒がせして申し訳ない」と頭を下げた。
渡辺氏の説明によると、負債総額は約1億4000万円。2006年に死去した父親が残した債務に加え、知人の会社の連帯保証人として数千万円を肩代わりした。07年4月には「生死にかかわるほど」の心臓病で緊急入院。同5月に退院してからも療養生活で仕事ができなくなり、破産申請を決意した。3月27日に大阪地裁が正式に受理。6月14日と今月10日に債権者集会が開かれ、今は免責の決定を待っている段階だという。
渡辺氏は01年と04年の参院選に立候補し、いずれも落選。今回の衆院選は公示目前の8月13日に、党本部から立候補の要請があった。渡辺氏はその場で「前向きに検討させていただきます」と応じ、翌14日には出馬に必要な書類を送付。比例近畿ブロックの名簿順位48位で立候補した。職業欄には「会社顧問」と記したという。「法的には出馬できる。万人(有権者)には説明しなくてもいいと判断してしまった」。苦しい弁明の連続だった。
今のところ党本部から連絡はないが、16日の特別国会召集を前に「指示があれば従う」と渡辺氏。一方で「国家のため、国民のために働かせていただくことの方がいい」と、自ら辞職する考えのないことも強調。破産によって当選が取り消されたり、被選挙権や政治活動が制限されることはないが、有権者に隠したまま当選したのは事実。会見に同席した党大阪府連の尾立源幸代表代行は「議員生活への影響は避けられない」と話した。
カテゴリー: 日々是雑感 - 2009年9月14日


