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痴漢事件とは

昨日、ブログをはじめ少しだけ痴漢事件についてふれさせていただきましたが、早速、問い合わせがありました。そのため、痴漢事件の弁護活動について、集中連載をしたいと思います。

とりあえず、本日は、痴漢事件の種類について。続きは、後日に。

 

痴漢事件とは

痴漢事件と一言でいっても、その嫌疑は二種類あります。

一つは、刑法176条の強制わいせいつ罪であり、もう一つは、各都道府県条例で定める迷惑行為防止条例違反です。

ここで、強制わいせつ罪は刑法犯であり、全国民等しく処罰の対象となる法規範です。

他方、迷惑行為防止条例は、各都道府県が定める法規範で、全国一律というものではありません。同じ行為をしても、それを犯した場所によって、罰則規定が相当違ってくることとなります。

東京、埼玉、千葉その他多くの都道府県の各条例では、痴漢行為をした者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金とされ、常習としてした場合には、以下の懲役又は100万円以下の罰金とされているところが多いです。

また、東京都の場合、盗撮行為をした場合には、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金とされており、しかも、これを常習としてした場合には、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金とかなり重く処罰されています。単なる痴漢、盗撮といっても、けして刑罰として軽いというものではないことがおわかりいただけると思います。

そして、盗撮の場合の方が法定刑が重いのは、痴漢は一過性のものと言えますが、盗撮の場合は、その盗撮写真が保持され、それが流通されるかもしれないとの被害者の継続的な恐怖がぬぐいきれないからとされています。

ですので、軽い気持ちで携帯カメラで盗撮をするなどというのは、言語道断といえます。

他方で、佐賀県の条例のように、痴漢行為をしても5万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に止まり、常習としてした場合でも、6ヶ月以下の懲役又は15万円以下の罰金に止まっているなど、自治体によっては、相当緩い規制を定めたままのところもあります。

その行為をした場所によって、これだけの差が生じるのは不合理とも言えますが、条例によって規制されている以上、仕方がないといえます。東京はもっとも厳しい規制をしている自治体の一つですので、都内で逮捕された場合には、それ相応の覚悟が必要となってきます。

 

刑法

第176条(強制わいせつ)

13歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳の未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

 

東京都:公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
第5条(粗暴行為(ぐれん隊行為等)の禁止)

① 何人も、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しくしゅう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。

第8条(罰則)

① 次の各号の一に該当する者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

2 第5条第1項又は第2項の規定に違反した者

② 前項第2号(第5条第1項に係る部分に限る。)の罪を犯した者が、人の通常衣服で隠されている下着又は身体を撮影した者であるときは、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

⑦ 常習として第2項の違反行為をした者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

⑧ 常習として第1項の違反行為をした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

第八条
次の各号の一に該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第二条の規定に違反した者
二 第五条第一項又は第二項の規定に違反した者
三 第五条の二第一項の規定に違反した者
2 前項第二号(第五条第一項に係る部分に限る。)の罪を犯した者が、人の通常衣服で隠されている下着又は身体を撮影した者であるときは、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

 

埼玉県:埼玉県迷惑行為防止条例

第二条
4 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人に対し、身体に直接若しくは衣服の上から触れ、衣服で隠されている下着等を無断で撮影する等人を著しく羞(しゆう)恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。

(罰則)

第十二条
次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第二条第四項の規定に違反した者
2 常習として前項の違反行為をした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

 

千葉県:公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例

(粗暴行為(ぐれん隊行為等)の禁止)
第3条

2 何人も、女子に対し、公共の場所又は公共の乗物において、女子を著しくしゆう恥させ、又は女子に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。男子に対するこれらの行為も、同様とする。

(罰則)
第13条
第3条第2項、第11条又は前条第1項の規定のいずれかに違反した者は、6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
2 常習として第3条第2項、第11条又は前条第1項の規定のいずれかに違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

 

佐賀県:公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例

(粗暴行為(ぐれん隊行為等)の禁止)
第2条
2 何人も、婦女に対し、公共の場所又は公共の乗物において、婦女を著しくしゆう恥させ、又は婦女に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。

(罰則)
第9条
 第2条から前条までの規定のいずれかに違反した者は、5万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
2 常習として第2条から前条までの規定のいずれかに違反した者は、6ヶ月以下の懲役又は15万円以下の罰金に処する。

 

 

 

カテゴリー: 痴漢事件 - 2009年9月12日