
痴漢事件 起訴後の弁護活動
それでは、最後に起訴後の弁護活動について説明したいと思います。
今まで、ブログで述べてきた以上のことを知りたい人は、直接、当事務所までご連絡ください。
起訴後の弁護活動
迷惑行為防止条例違反の場合は、初犯で自白していれば、略式手続きで罰金を納付すれば終了することが多いので、起訴後の弁護活動が問題となるのは、
①迷惑行為防止条例違反、強制わいせつ罪を問わず、否認している場合
②迷惑行為防止条例違反、強制わいせつ罪を問わず2回目以上の逮捕の場合
③強制わいせつ罪で自白しているが、被害者と示談が成立しなかった場合
になります。基本的に、強制わいせつ罪で逮捕されると、初犯で自白していても、被害者と示談できない限りは起訴されると考えてください。
起訴後の身柄解放活動(保釈請求)
起訴され、身柄拘束が係属している場合には、身柄の解放活動を行うのがメインとなりますが、被疑者が、検察官により起訴されると、前記の勾留取消請求のほかに、保釈請求をすることができるようになります。
裁判官が保釈を許す決定をする前には、検察官の意見の聴取をしなければならないことになっていますが、この意見によって保釈が許可されるか否かの大きく影響されます。
保釈請求をしたら、弁護人としては、保釈裁判官に面談を求め、当方の主張を説明し、保釈決定を得られるよう努力することになります。
保釈が認められるためには、保釈保証金が必要でかなりの金額になります。しかし、保釈保証金は、被告人が裁判に出頭するための担保であり、きちんと裁判を受ければ、全額戻ってきますので心配はいりません。手持ちにお金がなければ、保釈保証協会などの利用もできます。
公判準備活動
弁護人は、公判期日前の準備活動として、被疑者からの事情聴取を詳細に行い、被疑事実とこれに関連する事実、情状に関する事実、否認している場合には、その裏付けとなる事情などを聞き取り、共犯者や目撃者がいる場合には、その者からも事情を聴取するように努めます。また、現場の調査も行い、現場の状況、被疑者、被害者の位置関係などから実際に、被害者の述べている犯行が被疑者に可能であったのかの確認を行います。
公判活動
冒頭手続き
裁判手続きが始まると、冒頭手続きにおいて、起訴状の朗読がなされ、被告人・弁護人に意見の陳述が求められます。自白事件の場合は、簡略に事実を認めるだけですが、否認事件の場合、被告人は色々と話をしたいことはあると思いますが、慣れない法廷の場で、動揺してしまい、不十分な又は真意に反し不利な陳述をしてしまうおそれがあるため、認否については十分な打合せを行い、被告人には簡略な認否をするか認否の留保をしてもらい、弁護人の側で意見を述べるようにするなどの配慮を行うこととなります、
証拠調べ
冒頭陳述
検察官は必ず冒頭陳述を行います。他方、被告人・弁護人は冒頭陳述を行うことはできますが、義務ではありません。そのため、自白事件の場合は、通常、冒頭陳述を被告人・弁護人がすることはありません。
しかし、事件が複雑な場合や否認している場合には、弁護人は被告人の防御を十分に行うために冒頭陳述を行う場合があります。この冒頭陳述をいつ行うかについては、検察官の冒頭陳述後、あるいは、検察官立証後弁護人立証前に行うなど、色々とパターンは考えられますが、どの時点で、冒頭陳述を行えば、裁判所に検察官とは違うストーリーを印象づけられるかを考えて決めることになります。
主張する内容は、検察官の主張する起訴事実やその関連事実を否定する事実や、犯罪の成立を阻却する事由、例えば、正当防衛や緊急避難などの事実、また、刑の減免に影響する事実を述べることとなります。
証拠調べ請求
検察官が、まず証拠調べ請求をしますが、この証拠について異議、同意・不同意などの意見を弁護人は述べることとなります。自白事件の場合は、ほぼ同意ということとなり、証拠調べは、実際に、証人を調べるのにかえて、供述書面等の書面で代用され、その書面の重要部分を抜粋して検察官が読み上げる形で証拠調べを行います。
逆に、否認事件の場合は、検察官請求証拠はほぼ不同意となりますので、被害者、目撃者等の供述調書をほとんど不同意にして、実際に、法廷の場で話を聞くことになります。
弁護人は、検察官が、主尋問により被害者・目撃者等の証人から話を聞いた後に反対尋問を行うこととなります。
検察官立証が終わると被告人・弁護人側の立証活動を行うこととなります。
自白事件の場合は、被告人のための情状証人、例えば、親、配偶者、職場の上司などから、被告人の普段の生活状況、仕事の状況の話をしてもらい、もう二度と同じようなことをしないように、今後の見守り・監督をしてもらえるのか話を聞くこととなります。
その後、被告人質問を行い、なぜ、このような恥ずべき行為をしてしまったのか、二度と同じ犯罪をしないためには何をすればよいのか、今後どのように生活をしていくのか等を述べてもらいます。
いわゆる情状弁護活動を行うこととなります。
否認事件の場合は、犯行現場や所持品等の検分、写真撮影、ビデオ撮影をし、その証拠物を裁判所に証拠として提出し、また、被告人質問を行い、被告人の主張、弁解を裏付ける事実、例えば、アリバイ事実や被告人の立ち位置からして被害者の述べている態様での犯行は不可能であることを基礎づける事実を詳細に供述させることとなります。
最終弁論
最後に、検察官の論告・求刑後、弁論手続きを行いますが、自白事件の場合には、被告人を社会内において矯正させるべき旨を詳細に説明し、執行猶予判決等の寛大な判決を裁判所に求めることとなります。
否認事件の場合は、検察官の主張する被告人に不利益な事実及びその事実を基礎づける証拠を弾劾していくこと、また、検察官の提出した証拠を切り口をかえて評価し、また、被告人・弁護人側で提出した証拠とを組合せ、被告人側のストーリーを証拠をもって基礎づける作業を行うこととなります。
カテゴリー: 痴漢事件 - 2009年11月15日


