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痴漢事件 略式請求・略式手続き

それでは、引き続き痴漢事件の連載を継続します。本日は、痴漢事件は罰金を納めれば終わるのか?という質問が多いため、略式請求、略式手続きについての説明をしたいと思います。

 

略式命令・略式手続き 

起訴されると通常は、1~2ヶ月後に公判手続きが開かれますが、このような手続きがとられない略式手続きというものがあります。

略式手続きというのは、簡易裁判所において公判手続きを経ないで罰金又は科料を科する簡易な手続きであり、検察官が簡易裁判所に対して略式命令を請求することによって行われます。

通常裁判と聞いてイメージされるのは、裁判官がいて検察官と弁護人が対峙して被告人の有罪・無罪、情状の軽重を争うというものだと思いますが、略式手続きでは、このような手続きを簡素化し、被告人が法廷に立つということはなく、罰金、科料を納付すれば終わりになります。

 

略式命令請求の要件

①簡易裁判所に属する事件で、かつ、50万円以下の罰金又は科料を科しうる事件であること

②被疑者に異議がないこと

 

被疑者には正式な裁判を受ける権利がありますので、略式手続き受けることに異議がない場合でないといけません。罰金刑とはいっても有罪の裁判ですから、被疑者の意思に反して裁判を終わらせることはできないからです。

裁判所は、検察官からの略式請求を受けて、略式手続きによるのに適した事案であるときは、公判手続きを経ないで略式命令を発することになります。

また、略式命令を受けた被告人または検察官は、その告知を受けた日から14日以内に正式裁判の請求をすることができます。被告人の裁判を受ける権利を最大限に保障する必要があるためです。

 

痴漢事件の場合

それでは、痴漢事件の場合、このような簡易な略式手続きで終わらせることができるでしょうか?

まず、強制わいせつ罪の場合は、①50万円以下の罰金刑というものはありませんので、略式手続きによることはできず、正式裁判で審理が行われることになります。

一方、迷惑行為防止条例違反では、①簡易裁判所に属する事件で、かつ、50万円以下の罰金を科しうる事件ですので、略式手続きによることも可能です。

通常、迷惑行為防止条例違反で逮捕され、初犯で罪を認めて反省している場合には、略式手続きによる例がほとんどといえます。

痴漢した場合に、罰金で終わったというのを聞くと思いますが、このような略式手続きを経て罰金を納付しているのです。

 ただ、罰金を支払ったといっても、終わりになるのは、刑事手続きで、民事の損害賠償の問題は残っていますので、その点は、心に止めておいていただく必要があります。

 

 

カテゴリー: 痴漢事件 - 2009年11月4日