
家賃滞納データベース!? 家主vs滞納借主
日本賃貸住宅管理協会が、悪質な家賃滞納者を見分けやすくする情報データベースを構築するそうですね。保証会社が滞納分の家賃を代位弁済した履歴を登録して、入居申込み時に照会することができるようにするそうです。
こういった記事をみると、過剰に反応する弁護士もいますね。なんかデータベースという言葉に拒否反応がでるわけです。なぜなら、弁護士は基本的に個人の自由を尊重し、弱者救済を使命としているわけで、なんらかの統制につながる可能性があることに関しては、なにっと身構えてしまうわけですね。
ただ、やっぱり、悪質な家賃滞納者というのはいるわけで、大規模マンションのオーナーであればまだしも、戸建ての一軒家を貸し出して、滞納者に居座られているという人も一杯いるわけです。そういった人たちの相談を受けると、かなり悲惨な目にあっています。20ヶ月滞納とかまれで、借り主が開き直ってでていかないわけです。
借り主が居座ると決めてしまうと、素人の家主が立ち退かせるのは難しいです。弁護士が入れば、多少は借り主の対応がかわってくるので、通常は、任意の交渉から始め、これで解決が図れるときもあります。この場合は、2~3ヶ月で終わるでしょう。
しかし、悪質滞納者と一目で分かるときは、占有移転禁止の仮処分からはじまり、建物明け渡しの裁判を行い、そして、強制執行をするというフルコースの段取りになるわけです。この一連の流れで、どんなに急いでスムーズにいっても、4~5ヶ月はかかってしまいます。
また、滞納者が悪いと言っても、強制執行をすると、その手続き費用は家主の持ち出しになることが多いのです。しかも、これが結構な金額がかかります。建物の中にある滞納者の私物は勝手に処分できないので、基本的に持ち出して保管することになります。
この保管費用や、執行屋と呼ばれる人たちに支払う費用が、本当に馬鹿になりません。少なくとも50万円前後かかってしまいます。まあ、1Rマンションであればもう少し安いですが。
法的には、これらの費用は全額滞納者に請求できますが、滞納するような人はお金がないわけですし、お金があって滞納しているような人はさらに悪質でなかなか資産を見つけるのが難しいのです。
このような事案を経験していると、こういった家賃滞納のデータベースも合理的な制度なのかなとも思えます。
結局、どのような制度もそれを運用する人の問題で、その制度が濫用されない限りでは発足させてもよいのでしょう。
問題は、誰が濫用されないように監視するのか?ということになりますね。さてさてどうなることか。
中日新聞より抜粋 >
家賃滞納をリスト化 保証会社発表、弁護士らは反対
2009年9月30日 夕刊
全国の賃貸住宅管理会社などでつくる財団法人「日本賃貸住宅管理協会」(東京都千代田区)は、家賃滞納の有無など賃借人の情報をデータベース(DB)化すると発表した。借り主の権利向上を目指す弁護士らは「滞納経験のある社会的弱者への入居差別につながる」と反対している。
同協会によると、保証会社が滞納家賃を立て替えて払う「代位弁済」の履歴を、借り主の氏名や携帯電話番号などとともに蓄積。新たな賃貸契約時に保証会社の審査に活用するほか、悪質な借り主が長期間繰り返し滞納するのを防ぐという。
協会加盟の保証会社は二十数社で、約200万件の契約情報を持つ十数社がDBに賛同したという。協会は1、2年後の運用開始を目指し「借り主の信用補完が狙いで、ブラックリストをつくるのではない」と説明する。
居住者の権利向上に取り組む団体や個人でつくる「住まいの貧困に取り組むネットワーク」は29日、協会前で「借り主の権利を脅かすな」と抗議した。
カテゴリー: 日々是雑感 - 2009年9月30日


