事業再生とは、現状および今後にわたって収益力が見込めて競合力のある採算事業を残して、これに特化していくと共に、収益力が見込めなく競合力がない不採算事業を切り離して、財務体質を改善することで事業の再構築を行う事です。
これには、まず当期を含む過去二期分の決算書から正確な損益分岐点を把握するために、変動損益計算書を作成して現時点でのキャッシュフロー(現金の流れ)を確認して、採算事業の収益とのバランス判断を貸借対照表を作成して行い、不採算事業の切り離しを検討していきます。
採算事業は、あらゆる分析から新たな企業戦略を構築し、これらを基に企業再生計画書を作成して利害関係者との折衝・調整を行っていきます。


- 診断:キャッシュフロー(C/F)診断、損益計算書(P/L)診断、貸借対照表(B/S)診断
これにより現金の流れから借入返済可能額を精査して行きます。 - 分析:SWOT分析※、PPM分析※
これにより採算事業と不採算事業を精査して行きます。
- 診断:キャッシュフロー(C/F)診断、損益計算書(P/L)診断、貸借対照表(B/S)診断

- 企業の再生手法
事業譲渡、会社分割、DES、DDS、M&A etc… - 財務改善計画
借入金のリスケジュール、遊休不動産の売却、社屋のセール&リースバック etc…
- 企業の再生手法

- 再生スキームの立案に基づくチーム組成
- 金融機関対策、人事制度の改善、業務の効率改善
利害関係者である金融機関が取引先の融資に関して判断基準とする信用格付を、金融庁が銀行を検査するときの金融検査マニュアルの中にある「信用リスク検査マニュアル」に従って評価します。
事業再生手法にはDES、DDS、リスケジュール等があり、成功させるためには金融機関との折衝・調整が大きなポイントとなります。また、金融機関は貸倒引当を義務付けれています。
また、債務返済年数に関しては営業利益+減価償却費の合計を有利子負債で割った期間が一般的です。
| 債務返済年数 | 返済可否の判断基準 |
|---|---|
|
| 区分 | 内容 | 貸倒引当率 |
|---|---|---|
| 正常先 | 業績が良好で、財務内容に問題がない。 | 債権額の約5% |
| 要注意先 | 業績が低迷または不安定で財務内容に問題あり。 不渡手形、融通手形、期日決済に懸念ある割引手形を保有融資が実質的に繰越欠損の補填にされている。 |
債権額の約15% |
| 要管理先 | 金利減免、棚上げなど貸し出し条件に問題あり。 元金返済、利息支払いが事実上延滞している。 元金、利息支払いが実質的に3ヶ月以上延滞している。 元金の返済猶予など貸し出し条件の大幅な軽減をしている。 |
債権額の約15% |
| 破綻懸念先 | 現状、経営破綻の状況にはないが経営難の状況。 債務超過で、今後は経営破綻に陥る可能性がある。 業況が著しく低調で貸出金が延滞状態である。 |
債権額の約75% |
| 実質破綻先 | 法的な経営破綻の事実は発生していない。 深刻な経営難の状況で再建の見通しがない。 大幅な債務超過に相当期間陥って、事業好転の見通しがない。 元金返済、利息支払いが実質的に6ヶ月以上滞納している。 |
債権額の100% |
| 破綻先 | 法的な経営破綻の事実が発生している。 | 債権額の100% |
事業再生を進める中で、重要なポイントは利害関係者からの理解を得る事です。大きく分けると利害関係者は株主、金融機関、得意先および仕入先、従業員です。各利害関係者の懸念事項で主なものは次の通りです。
ここで共通して大切な事は、信頼関係が構築できていると言う事です。
又、利害関係者の理解を得るためには、企業再生計画を事業計画書を作成する事で会社の実情から今後の展望を具体的な期間と数値で説明することが重要です。
また、金融検査マニュアルの中には、破綻懸念先と判断された企業でも5年から10年以内に正常先に戻れる事業計画書を作成すれば、区分が上位になる可能性がある事も謳われてます。
それだけ事業再生では事業計画書の作成が重要です。
事業計画書の添付書類として準備しておきたい書類は次の通りです。
- 株主
- 株価の急落による株式価値の毀損
- 金融機関
- 債権回収の可能性。企業の存続。今後の健全な取引継続(貸出金)
- 取引先・仕入先
- 売掛金回収の可能性。連鎖倒産の危機回避。今後の健全な取引継続(商品仕入・納入)
- 従業員
- 給与遅延の可能性。人材流出の危険性。今後の安定的な継続雇用(リストラ不安)
- 現状の企業分析資料
- 企業分析による不採算事業の切り離し方法
- 今後の事業目標を基にした経営計画書(経営戦略・人員計画・マーケティング方法)
- 経営計画書を基にした目標損益計算書、目標貸借対照表
- 資金繰り計画(借入計画・損益分岐点分析)
SWOT分析とは、事業戦略立案のためのフレームワークで、環境分析のスタートとなる分析ツールです。
自社の強み(Strength)、弱み(Weakness)の内部要因と、市場や顧客獲得の機会(Opportunity)、脅威(Threat)の外部要因をマトリックスにして客観的に分析するために使用されます。
外部環境と内部環境の現状を抽出した上で、強みを機会に活かす、弱みと脅威のはち合わせを回避する、強みを強化する、弱みを強みに変える、と言った事を考えていきます。
| 機会(Opportunity) | 脅威(Threat) | |
|---|---|---|
| 強み (Strength) |
自社の強みで市場が要求してる事業機会はなにか? 企業にとって最も環境に適合できて独自性を発揮できる領域 |
自社の強みで脅威を回避できるか? 他社の脅威を自社の強みで事業機会に出来るか? 強みで対処できないなら回避すべき領域 |
| 弱み (Weakness) |
自社の弱みで事業機会を逃がさないか? 企業の弱みが克服できれば選択できる領域 |
自社の弱みに脅威が訪れる最悪の状態はなにか? 回避すべき領域 |
PPM分析とは、事業ポートフォリオを考えるフレームワークで、プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの略です。
片側の軸に市場成長率、もう片側の軸に相対マーケットシェアをマトリックスにして、事業を4つの象限に分類して大きな事業戦略の方向性を分析するために使用されます。
その4つの象限から花形産業なら維持戦略、金のなる木なら維持戦略もしくは収穫戦略、問題児なら拡大戦略もしくは収穫戦略、負け犬なら収穫戦略もしくは撤退戦略と言った事を考えていきます。






